移住&多業のススメ。たかぎさんの物語。

清里に関わる人たちに取材を重ねて、「清里のやさしさ」の実態に迫っていこうという連載記事、「清里の”人”」。 初回はこのきよさとCONNECTの開設にも大きく関わった、元地域おこし協力隊、現在は清里いばしょスペースcha-yaオーナーの髙木桂(たかぎかつら)さんにお話をおうかがいしました。
地域おこし協力隊から子ども食堂と農家民泊のオーナーへ
−北海道出身で清里に来る前は東京で会社員をしていたとのことですが、なぜ地方移住、それも清里区への移住を決断したのでしょうか?
髙木さん「まず地方移住については、出産がきっかけとなりました。子育てをするなら東京ではなく、のびのびと過ごせる地方がいいなと思って、海と山が近く、首都圏からのアクセスがいい上越市が候補に上がって。そこで移住の方法を探るうちに、ピンときたのが家と車を貸与してくれるという地域おこし協力隊の制度ですね。これだ、と(笑)。極めて現実的な判断として地方の移住に踏み切ったというのが正直なところです。」
−なるほど、憧れやイメージからではないリアルな判断というところに髙木さんらしさが見える気がします(笑)。上越市の中でも清里区を選んだ理由は?他の区でも地域おこし協力隊の募集はあると思うのですが…
髙木さん「受け入れ先の櫛池農業振興会での仕事に興味を持ったというのが大きな決め手ですね。前職での経験が活かせそうですし、農業事務というところではありながら、農業や地域政策、生涯福祉、児童福祉と地域のさまざまな側面と関わっていく。そんな地域のさまざまな側面に触れていけるところにも魅力を感じました」

櫛池農業振興会での勤務中の一コマ。「当たり前ですが畑仕事だけが農業じゃないですよね。それが最初は新鮮に感じたし、オフィスワークもあるなら自分のキャリアが活かせるかなと思いました(髙木さん)」
地域もだけど、自分の子どもと一緒に過ごす時間を大切にしたい、だから子ども食堂。
地域おこし協力隊として農業事務に勤しみながら、カフェやイベントの開催などさまざまな活動を行なっていく中で、清里で子ども食堂を運営していくことを頭に思い描くように。
髙木さん「豊かな自然環境がありながら、放課後に子どもたちが過ごせる場所が意外と少ないのかもと思って。農育連携という観点でも多世代交流の場があってもいいと思うし、それなら地域の人にも開かれた「みんなの居場所」ということで、子ども食堂がいいかなと。実は動機のいちばん根っこの部分は、『仕事をしながら自分の子どもと一緒に過ごせる時間をいかに長く確保するか』というところにあるんですけどね(笑)。」
そんな思いから構想が進んだ子ども食堂。改装して生まれ変わったかつての空き家は、「清里いばしょベース Cha-ya」としてみんなの集う場所になりました。

子ども食堂の初回開催は100人もの参加者で大盛況!
また、Cha-yaは農林漁業体験民宿としても登録認定を受けており、外国人の観光客の受け入れもすでに積極的に行なっています。

この日はモンゴルからのお客様のグループが宿泊中。米袋を使ったトートバッグの制作体験が行われていました
「多業」がかなう清里で、ご縁を大切に生きていくということ。
−移住して3年になるとのことですが、「清里ならでは」を感じる部分や、今後、清里で行なっていきたいことがあれば聞かせてください。
髙木さん「東京と異なって、『周りにいるのが知り合いばっかり』という環境がいかに幸せなことかということを感じたりしています。『繋がりの中で生きていく』ということが自然なこととして当たり前に行われていて、だからこそ真面目だし、丁寧な暮らしを送っている人が多いというふうに日々思います。また、今後についてですが、最近思うことは、地方では『多業』ということが成立しやすいのかなと。私の場合、子ども食堂を運営しつつ農家民泊もやっていて、農業事務にも携わっていて。多業とはさまざまなことを生業にしていくということですが、ここ清里に根をおろして、いろんな偶然やいただいたご縁を大切にして、何より自分自身が楽しめることをこれからも仕掛けていこうと思います。」
「たくさんの人と濃い密度で関わっていく、そんな日々を楽しみながら成長していって欲しいですね」とお話をしながらお子さんを眺める髙木さん。これからの清里の未来は髙木さんの手でもっともっと素敵になっていくのでしょう。
